瞬間接着剤
目の前にあるのは、割れかけた大切なもの。
私はそれを直したくて。
いますぐ直したくて、瞬間接着剤でくっつけました。
直りました。
元どおりになりました。良かった。
だけど、すぐまた割れてしまいます。
そのたびに私は瞬間接着剤でくっつけました。
早く直さなきゃ。失いたくない。
何度も繰り返してたら、とうとう接着できなくなってしまいました。
綺麗だった割れ目は、接着剤でぼろぼろに。
もうどんなことをしたって、元には戻せません。
私は泣きました。
どうしてこんなことになっちゃったんだろう。
あんなに必死に頑張ってくっつけたのに、どうして…。
おしまい。
綱渡り
長猫はあまり心が強くありません。
ちょっとしたことでバランスを崩しがち。
だから毎日はちょっとした綱渡りです。
気分を滅入らせないために長猫ができるのは、まず環境づくり。
部屋は風通しの良い、居心地の良い場所に。
出かける時も人の多いところには行かず、静かで落ち着ける場所へ。
バランスを崩しそうな要因から自らを遠ざけることで、生き辛さを解消する作戦です。
昔は心を強くすることばかり考えてました。
でもダメなんです。変わらないです人間って。
虚勢を張ってると張っただけ負の要因が迫ってくる。
気を抜いた瞬間に一気に足元を救われます。中身は弱いからそれでおしまい。
あとには何にも残りません。
弱いんだから弱いなりに、心が折れちゃうことはうまくかわして生き抜く。
十代の頃には恥ずかしいと思ってた生き方です。
でもそれが長猫にはぴったりなのでした。
そんなでバランスが取れてる時はけっこう調子よく進んでいけます。
おそらく傍目から見てもそんな弱々しい人には見えないでしょう。
でもその裏では巧妙に衝突を回避するシステムが働いてます。
なのに・・・
回避しきれない時があります。それは往々にして人間がらみです。
ひと絡みのマイナス要因に長猫はどうしようもなく弱いです。
安心してるといきなり足元をすくわれる。
まったく読めない。何が起こるかわからない。自然なんかよりずっと脅威です。
だからほとんど一発KO。何も手につかない体操座り状態になってしまいます。
今もそんな状態です。
正直書くのも辛いけど頑張って書いてます。
で、いま思うのです。
もう人間なんていらないやって。
人の形をしたモノの方がよっぽど安心できるじゃない。
二ヶ月前と同じことを思ってます。結局ここに戻ってくるのです。
人は傷つけ合うもの。
うん、それは構いません。私が嫌なのはそこじゃない。
これについては書ける日が来たら書こうと思います。
夢
久しぶりに戻ってきました。
やっぱり最後はここが居場所です。
現実のこと。
頑張っても頑張っても
至らないことばかりです。
良かれと思って頑張ったことが良くなかった。
そんな経験ばかりが積み上がり
次は失敗しないようにと気をつけるけど
それでも足りない。
ぜんぜん足りない。
もう何もしないでおこうって
いつも決心するんです。
だけど夢は捨てきれなくて。
余計なことをするからいけないのです。
夢なら人形が叶えてくれる。
それでいいじゃありませんか。
動かして覗けばいつでも叶えられるのです。
頑張った分だけ夢に近づくよ。
本当に・・・ね。
ゴマおじさん
結局ここに戻って来ちゃうんだなぁ・・・。
年が明け立て続けに色々ありました。
部屋の隅で小さくなってます。
神様なんていないんだー！
なんて叫んでも仕方ないけど、そんな気分です。
こちらではいい話はあまり無いです。ごめんなさい。
やな気分になったら本家を覗いてみてください。
ゴマおじさん。
人間の姿をしたドール達のなかで、ひとりゴマアザラシのおじさん。
いろんな経験をしてきたけど、自由が大好きでずっと独り身。
おじさんの周りには人の子たちがいて
それぞれ楽しく幸せそうにしています。
おじさんは家に帰るとひとりぼっちだけど
みんなといた記憶があるから寂しくありません。
おじさんは長猫さん自身？
そんな風に尋ねられたことがあります。
当時は違うよって答えました。
おじさんみたいに何でもできないし、ひとりで生きてく覚悟もない。
こんなおじさん居たらいいなって願望で、自分を当てはめたつもりはありませんでした。
でも今はどうだろう。
私はおじさんとは違うんだろうか。
違うと言い続けていられるんだろうか。
自由が大好きでずっと独り身。
たくさん傷ついたから、独りでいることを選んだおじさん。
そんなおじさんの生き方がすぐそこまで近づいてるのかもしれません。
いちどおじさんと話してみたいです。
ほんとにひとりぼっちでいいのかな。
ほんとに寂しくないのかな・・・。
消えない灯り
長猫ブログのクリスマス記事の番外編です。
今年はクリスマス前に雪撮影に行くことができました。
場所はいつもの茶臼山です。
昨日までに降り積もった新雪の上を歩いていきます。
今日は昨日までの嵐が嘘みたいに穏やかな陽気です。
中間地点に到着
といっても駐車場から400mもないくらい。
見える斜面はスキー場です。この日はまだオープン前。
軽く登ったので体が暑いです。汗だくになってしまうくらい。
まずは試しに撮ってみます。
記念写真になりました。
雪は天然のレフ版。くっきりすっきり写ります。
さらに登っていきましょう。
ドールや小道具はソリに乗せて引っ張りました。
通りすがりのハイカーさんがひとこと
「子供を乗せたお父さんかと思ったよー」
ハハハ( ´ ▽ ` )ハハハ
見晴らし台でツリーを出します。
背景は南アルプス。すっかり冬山の装いです。
実際はこんな場所
駐車場から700mくらいでたどり着きました。
お手軽に雪山気分です。
パノラマ全景
徒歩でしか来れないので人は少ないです。
来てもスノートレッキングの人だけなので静かです。
スキー場がオープンしてる時は微かにBGMや歓声が聞こえます。
長猫が撮ってる時は誰も来ませんでした。
クリスマスに雪の上でひとりツリーを出してドールを並べて
自分何やってるんだろうなーとは思います。
周りから見たら相当寂しい人に見えるかも。
ただ・・・見たいんだよね。
ドールたちが幸せそうにしてる姿を。
小さい頃読んだマッチ売りの少女ってお話。
雪の街。ひとりぼっち。
暖かそうな家の窓を遠くに眺めながら、手元のマッチを灯しつづけて
最後は冷たい雪の中で息絶えてく。そんなお話だった気がします。
形は全然違うけど、たぶん気持ちは同じかも。
夢を見せてくれるのはマッチじゃなくて人形。
きゅっと小さくなった心のそばには夢の世界があって
彼らを動かしてそれを形にして眺めてる。
そうすれば私も幸せな気持ちでいられる。
どんなに寒くたって心は暖かくしていられる・・・。
